照明のない部屋から眺める月の美しさといったら、もうね…

帰路、信号待ちにて、ふと空を見上げてみた。

 

月が煌煌としている。美しい。

 

「今日は部屋から月を眺めよう」

 

足取りが軽くなった気がした。

 

帰宅後、部屋の照明を点け、荷物をしまい、手を洗い、

 

部屋から月を眺めることにする。

 

ガラガラと窓を開ける。

 

「やっぱり綺麗だ」

 

つい見とれてしまう。

 

けどいけない。

 

窓を開けていると虫が入ってくる。

 

急いで網戸を閉める。

 

網戸をしても月は見える。が、何か違う。

 

この薄い網1枚でここまで見え方が違うものなのか…

 

やはり直接眺めていたい。

 

けど網戸を開けていると、部屋の光につられて虫が入ってくる。

 

部屋の光につられて虫が入ってくる。

 

 

 

 

「なら部屋の照明消しとけばよくない?」

 

 

 

 

シンプルな答えだ。

 

早速部屋の照明を消してみる。

 

暗い。

 

窓を開ける。

 

「おお…」

 

真っ暗だった眼の中に、射しこむ月の輝き

 

しばらく立って眺めた後、今度は部屋の中で座って眺めてみる。

 

「座って眺める月」

 

これもまた美しい。

 

部屋の中に座る、つまりは日常生活のなかで月が見える、ということにちょっと嬉しくなる。

 

そしてふと気付いた。。月の光が部屋に差しこんでいることに。

 

壁がうすく光っている。やわらかい光。

 

「月の光って部屋に差しこむんだ…」

 

急に月が身近になった気がした。

 

部屋で座って見える月。月の光が差し込む部屋。

 

 

 

 

月は僕らの側にいる